この映画は、カーライルと、マーラ演じるケイヒルの関係(後にリッターとの関係も)が大きな軸となっている。カーニバルの明るい光の下で恋に落ち、新しい人生を切り開くために共に走り出す2人の姿を追う。カーライルがメンタリストとしての活動を完全に合法化するのをケイヒルが手助けすることで、彼らは恋愛面でも仕事面でも真のチームとなっていく。
映画は、彼らのカーニバル巡業から、アール・デコで飾られたクラブで富裕層の観衆を指揮している時代へとジャンプする。2人はステージに立つため楽屋にいる。最近の映画セットのなかでも最も美しく装飾された部屋のひとつに彼らが座っていると、カーライルのハミルトンが、手首とフレーム正面の化粧鏡の両方にはっきりと見える。画面上で際立っていることから、我々に注目させようとする意図は明らかだ。時計愛好家にとっても映画ファンにとっても、これは願ってもないことである。
ここでもバレることなく、カーライルは本来なら秘密のトリック(メンタリズム)であるはずのものを、詐欺行為に変えてしまうのだ。彼は地元のセラピスト、リッター博士と親しくなるが、彼女は高額を支払う顧客を抱えている。リッター博士は利益の一部と引き換えに患者の情報を彼に提供する。そして、カーライルはその情報をもとに、愛する人を亡くした人たちの心の傷を癒そうとする。そんななか、彼がメアリー・スティーンバージェン演じる有力裁判官の妻、キンブル夫人の家にやってくるシーンがある。カーライルが自分の "能力 "を使って彼女の亡くなった息子と話すとき、彼のよく動く手首にハミルトンのヘイスティングスが見える。マジックとは結局のところ、気持ちをそらすための技術なのだ。
映画『ナイトメア・アリー』(出演:ブラッドリー・クーパー、ケイト・ブランシェット、ウィレム・デフォー、ルーニー・マーラ)ギレルモ・デル・トロが監督、クリストファー・ゲギーが小道具を担当、マリア・シモネリがそのアシスタントを務めている。現在、劇場にて上映中。
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